暗黒世紀
アキラゲリオン

暗黒神話・孔子暗黒伝(作:諸星大二郎)やアキラとエヴァンゲリオンの比較


ニュータイプ・エヴァ・レイン(NEW!)

 ニュータイプ:生活空間の著しい宇宙という環境に適応した人類は、人の革新として他人と理解し合える。
 ワイヤード:高度にネットワークとコンピュータの発達した社会において、肉体など全然リアルではなく、人類はワイヤードにおいてリアルに存在しうる。

 人類補完計画:アンチATフィールドにより、肉体の呪縛を解き放ち、LCLの海において単体の思念集合体となった人類は、他者との相互理解を基礎に1階層上位の生命体として進化する。ヒトとヒトとがゼロの距離で他人を分かり合う世界、それは桃源郷と呼ぶにふさわしく、物語の大団円となるはずであった。

 庵野秀明の失意:現存するネットワークにおいて失望を味わった庵野秀明はニュータイプ社会が桃源郷のごときものだとの幻想を捨てる。人が解け合うことは、見せたくない自分をさらけ出し、見たくない他人を見せられると言うことである。体が無くなったところで他者との境界や反発力が無くなるわけではない。

人工進化研究(NEW!)

 人類補完計画の前身であるこの研究。人類補完計画の核がエヴァだとしたら、人工進化の核はマギではないかと。なぜ、そう思うに至ったかと言うとLainForPSを遊んだから。
 ゲームの内容は、とても奥深く、書き出すときりがないので簡単に説明すると、主人公の少女が、自分の人格(思考ルーチン)と記憶(記録)をネットワークに繋がったコンピュータ上に移し肉体を捨てるという、身も蓋もない内容。
 人工進化もそういう内容と邪推すれば、マギはそのプロトタイプで、赤城ナオコはその犠牲者。ゼーレの老人はその実践者。
 では、何故その計画が進行しなかったのか。エヴァがヒトの魂を取り込む存在だと分かったとき、エヴァに人類全てを取り込ませれば、何も記号化された虚偽の人類をマギの上に残すよりも、より理想的だと判断されたから。
 応用編であるダミープラグにしても、魂のバックアップとまでは行かず、思考と記憶のバックアップ程度と考えられる。記録のリストアと魂のサルベージは全く違うことだ。

テツオ・ケイと綾波

 巨大化する所がテツオ、ドッペルゲンガーみたいなのが主人公の前に出てくる所がケイ。

アキラの覚醒と他者との相互理解やら人類補完計画やら

 アキラの覚醒に飲み込まれなかった金田やケイやらが、なんか他人と分かり合えたってなラストだった様な。うろ覚えなのですが、これだと富野のニュータイプみたい。
 コミュニケーションねたはアニメの定番?それともオタクの願望?
 でもエヴァの人類補完計画は、それを通り越して無への回帰です。

 ときにアキラの最終的な覚醒はビッグバンとか宇宙創生ともとれますが。エヴァはビッグバン落ちはやりませんでした。でも新創世記(Neon Genesis)なんだから十分ありえたネタではあります。

革(イベント)とインパクト

孔子暗黒伝より
「天に大極あり、地に慈気あり、これを地天泰という。陰陽災変し天地否となる。これを革という」
 磁場(地軸)が変動する事を地磁気学でイベントという。
「革起こりて、慈気滅す。滅して無。無、有を生じ、有、生じて、天人合一す」
 ところが、このイベントの時期には生物的にも変化が見られる。恐竜の滅亡。人類の誕生。文化の発生などである。

 では革(インパクト)を人為的に起こせば、ヒトの進化を促進しはしないか?
 そうするとセカンドインパクト後に生まれた子供は新人類か?
 そのような子供の最年長者は2014年時点で14歳。エヴァにはインパクト後に生まれた者しか乗れないとすれば、その中での最年長者を選ぶのはごく自然だろう。

トウテツ
饕餮とマギ

 饕餮とは、ヒトであったものが、反剋の術により、金属の器になってしまうこと。その器はあたかもコンピュータのような働きをする。器とは鬼。すなわち魂の入れ物。
 マギの人格移植技術。魂のバックアップ。エヴァに取り込まれる人間。そのサルベージ。饕餮はこれらを解くキーワードになりはしないか。

反剋の術:陰陽の正常な流れをさかのぼり、過去にさかのぼる術。死者はよみがえり一見して不老不死となるが、その後に「金」気に変じてしまう。

餓鬼とエヴァ

 邪馬台国の泉をあびると、不老不死となる、だがヒトの貧弱な肉体は不老不死に耐えず餓鬼となってしまう。
 生命の実を得る代りに、ヒトとしてのかたちを失う。同時に知恵の実の恩恵も失う

 餓鬼を使徒とすれば、人工進化(人類補完計画)とは、人のかたちを失わずに生命の実の効果を得ることか?
たんなる不老不死かそれとも神への道か。
 そうすると、人工使徒に人が融けているエヴァ初号機は、たしかに神のプロトタイプともいえる。だが、生命の実たる素体も、知恵の実たる碇ユイともに、深き眠りに沈んでいるようだ。
 では碇シンジは、覚醒していない碇ユイの、目覚ましでしかないのか?

 使徒に知恵の実をあたえる試みである綾波レイ(アダム)の存在は確かに貴重である。
 碇ユイの遺伝子からのクローンなら、目覚ましとしての効果も期待できよう。

 またゼーレの方々は人工使徒たるエヴァの肉体をお持ちのようだ。これは綾波の例の逆ともいえる。 

 では知恵のある使徒・渚カオルは両方の実を持つ存在なのか?それともただのゼーレ版綾波か。

 使徒と人。肉体・魂・コア・人格。さまざまなかたちの組み合わせによる神へのアプローチ。はたしてその先に何があったのか?神という抽象的な単語に意味はあるのか。もはや誰も語るべき言葉を持たない。いや自分勝手な言葉でならいくらでも囀ることは出来るが・・・

碇シンジは君子(または天子(または神の子))となるか

 孔子暗黒伝:「革のとき、君子は豹変す。正しければ六竜に乗り天を御す。正しからざれば凶、否にして人にあらず。亢竜、悔いあり」(要約)

 冬月「この先にサードインパクトの無から人を救う箱舟となるか、ヒトを滅ぼす悪魔となるか。」
    「未来は碇の息子に委ねられたな。」

 で、碇くんは、箱舟にも悪魔にもならず、なんら決心せずに中庸の道を歩きましたとさ。

光の翼と白鳥、碇シンジとヤマトタケル

 ヤマトタケルは非業の死をとげ、鳥になりました。願望を書いても意味はありませんが、碇シンジも光の翼とともに神話になってれば奇麗に落ちたと想うのですが。
 私がエヴァを見るきっかけとなった、パソコン通信の書き込みは、「南極で使徒軍団と戦う悪鬼の形相の碇シンジが見たかった」というようなものでした。
 それも、書いた人の願望でしかないのでしょうが、そこからデビルマンを連想してエヴァを見て、途中までその連想に満足して作品世界に漬かった人間としての望みではありました。
 あと、時間の都合で断念されたというTV版の絵コンテ(摩砂雪:画)が流出して、巨大綾波・雪の中の戦闘シーン・水平線を埋め尽くす人間サイズの量産エヴァ(山下デザイン)やらが出ていたというがありましたが、その落ちが、ヒカルが車椅子にのったトウジと居るシーンで、トウジ「シンジの奴まだ帰ってけぇへんのやろか」でヒカリが涙ぐむとか・・・・
 伝聞でしかない根も葉もない噂ですが、お涙頂戴な落ちとしては良質な落ちですね。でも作品の流れにはそぐわないが・・・。

大極とリリス

 命の源・母なるリリスへの回帰が、大極への合一ってかんじ。

赤き土やら黒き月

 分からん


オマージュ作品を他と比べても仕方が無いし、製作者の意図とはかけ離れるとしても
新世紀エヴァンゲリオンの持っていたポテンシャルの触発されました
といっても、こんなとりとめの無い文章では、他人に見せるほどでもないのですが。
とりあえず、暗黒神話と孔子暗黒伝をご一読のほどを。
あとserial experimets Lain for PS
遊ぶことをお勧めします

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